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私のNPO LIFE

ワタクシ流・メディア論(6)

 「幸せな家庭ってどんな感じ?」誰かにそう問いかけられたら、どんな家庭を想像するだろう。テレビのホームドラマに出てくるような仲の良い夫婦に可愛い子ども、一戸建ての庭付きの家に犬など飼っていて、朝はエプロン姿のお母さんが「行ってらっしゃい!」と、夫・子どもを見送る。まさか今時、このような優良家庭をイメージする方はないとしても、映画やドラマの主人公に憧れるのと同じように、理想とする家庭像も案外メディアの影響を受けているもの。アニメ「サザエさん」が今なお根強い人気を保っている背景には、大黒柱の頑固なお父さん、専業主婦のお母さん、というどこか懐かしい家庭のスタイルに共感や憧れを抱く人が多いからではないだろうか。
 男女協同参画の研究をする大学教授が、大学生に理想の家庭像を尋ねたところ、男子学生の多くが、パートナーには家にいて、子どもと家庭を守ってほしいと答えたことを報告していた。女子学生の多くは結婚しても仕事を持ち、働きたいと考えているのに、である。一体彼等はどこからこのような価値観を習得しているのだろうか。
 生き生きと働く女性が、ドラマでは以前から多く取り上げられてきた。ただし、悲劇のヒロインとして人一倍働き、それでも夢を持ち、もちろん家事も育児もこなすのである。いつしか女性は「耐え忍ぶ存在」であり、時に誰かが手を差し伸べたくなる「けなげな存在」という、男性から見た「都合のよい女性像」となって私たちの前に登場し続けた。その結果、理想と現実のギャップに対応しきれない現実が横たわってしまったのではないかと、そんな風に思えてならない。もちろん女性の側にも同じことが言えるのだが。
 このように考えると、メディア情報は私たちが気づかぬうちに、心の奥深くに届き、価値観、人生観にまで影響を及ぼしていることがよく分かる。
 時代とともに価値観も変わるだろう。けれど、どんな時代にも変わらぬものがある。親子の情愛、誰かを大切に思う心、それらはメディアから学ぶのでなく、子どもの近くにいる大人が身をもって伝えていこう。色んな生き方があり、望む幸せのかたちはひとりひとり違っているということを。理想とする家庭像、生き方のモデルはすぐそばに居て、実際に子どもたちがそれを肌で感じられるようにと私は願う。



by hatehate2004 | 2006-06-05 21:33 | メディア論

悩めるNPO人の日常
by hatehate2004

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