私のNPO LIFE

『ワタクシ流・子どもとメディア論』(5)

 「赤子が朝起きる。どこやらから声がする。そう遠くないのに、自分に話しかけているのでもなく、自分の反応を待っているのでもない。その声はとぎれることなく続いている。(中略)自分が目や手を動かさなくても、常に新しい情報はやってきて、自分の感覚器官を満たしてくれる。(中略)そんな毎日の中で赤子は育っていく(中略)。朝、目覚めた子どもは居間に行く。居間ではテレビがついていて、(中略)血を流した人が運ばれる映像が流れる。(中略)人が死んだニュースの前で子どもは卵焼きをおいしそうにほおばった。」
 これは、九州大谷短大の山田真理子先生の著書「子ども・こころ・育ち」(エイデル研究所発行)のはじまりの一文。
 ほんとうに、そうだ。アメリカで起きた同時多発テロのことを思い出す。巨大なビルに突っ込む飛行機を見つめながら、これは本当の事なのか、映画のシーンなのか、その時の私には判断できなかった。あまりにもリアルに映し出される映像に恐怖さえ感じた。実際にアメリカでは子どもたちにテレビを見せない日が続いたそうだ。このように大人でさえも混乱しかねない情報が、私たちの日常には溢れているのだ。そしてそのほとんどが、子どもが知る必要のない情報である。
 また、近ごろのニュースでは、連日頭を下げる大人の姿ばかりを見せられる。子どもは、どんな気持ちで見ているのだろう。「大人って、嘘つきなのかな、また何か悪いことしたんだ。」そんな風に感じているに違いない。子どもの近くに「尊敬できる大人」がいてくれればいいけれど、人を騙し、傷つける手本ばかりを見せられていたのでは「夢」など抱けるはずもない。
 このように考えると、テレビが、幼い子どもたちに安心して触れさせられる状況にないことが分かる。私たち大人は、このことをもっと自覚すべきではなかろうか。
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by hatehate2004 | 2006-02-03 08:59 | メディア論

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